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693. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 31 26.96 ID lge1fhYN0 梓「語ります」 梓「こんにちは、今回カンペ読みもとい解説を担当する中野梓です」 律「今さりげなくトンデモなことを言ったな」 梓「スルーして下さい、私も律先輩のことスルーしますから」 律「ひでぇ」 梓「それでは語りに入っていきます、テーマはムギ先輩のカップリングについてです」 694. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 33 15.70 ID lge1fhYN0 ―― 梓「と、いきなりカップリング語りに入る前に、ムギ先輩についての掘り下げを先に行いたいと思います」 律「? なんで?」 梓「前に全カプ語りした人もいますし、ムギ先輩に特化することで差別化を図ろうかと」 梓「それに、後でカップリング語りする時に色々書きやすくもなりますしね」 律「なるほどな」 梓「まあ実際はムギ先輩への愛が溢れただけなんですが」 律「私のなるほどを返せ」 梓「というわけでまず、ムギ先輩が書き辛いと言われる所以についてを取り上げてみようと思います」 律「無視か」 695. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 35 44.66 ID lge1fhYN0 ―― 梓「ムギ先輩が書き辛い、というのは各人を属性分けすると分かりやすいかと思います」 律「属性?」 梓「役割って言った方が正確かもしれません」 梓「基本的に、漫画や小説とかでも各キャラごとに特有の性格とかってあるじゃないですか」 律「まあ、そりゃあそうだな」 梓「で、それによってそのキャラの立ち位置が決まるわけです」 梓「というわけで、ちょっと私たちを四コマ漫画的に属性分けしてみました」 梓「片っ端から書いたので見辛さは否めませんが、こんな感じです↓」 696. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 37 24.28 ID lge1fhYN0 ・唯:ボケ(たまに常識的なツッコミ)、天然、天才、の変人枠 ・紬:ボケ(ツッコミ殆ど無し)、天然、お嬢様、百合好き、超能力有、謎要素多、の変人枠 ・律:ツッコミ比重の多い(?)ボケ兼ツッコミ、の常識人枠 ・澪:ツッコミ(ピュア的な天然ボケもアリ)兼イジられ役、色気担当、の常識人枠 ・梓:ツッコミ兼イジられ役、抜けてるところもあるが真面目、の常識人枠 律「どっちかというと原作よりの分析だな」 梓「それに、書いた人の主観も入っているので100%こうだってわけでもないです」 律「アバウトだなおい」 梓「いいんですよあてにする人なんていないでしょうし」 律「それは言っちゃダメだろ流石に」 697. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 39 37.71 ID lge1fhYN0 梓「とりあえず話を本線に戻しますが」 律「スルーかよ泣くぞ」 梓「話の主軸に持って行く場合、書きやすいのは圧倒的に常識人枠の、常識要素の高いキャラです」 律「つまりツッコミ役のキャラか」 梓「そうです。変人度が上がるほど思考トレス的なことが難しくなりますから」 梓「そういう意味では、理論上は律先輩が一番書きやすいってことになりますね」 律「ん? でも私のこと書き辛いって言う人も割りと見かけたぞ?」 梓「あくまで理論上の話ですし……それに律先輩も100%常識人ってわけじゃないですし」 律「いや、否定はしないけど本人を目の前にしてそれを言うか中野」 梓「あと、逆にある程度変人的な要素がある方が書きやすいって人もいるでしょうし」 梓「まあ、書きやすさなんて人それぞれってことです」 律「それじゃあ今の解説はなんだったんだ」 698. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 42 07.88 ID lge1fhYN0 梓「……後者の人はあくまでそういうパターンもあるってだけですよ」 梓「大多数の人は変人枠の人の動きに悩むと思いますよ、よほどキャラ愛が無い限りは」 律「まあたまに予想もつかない動きするしなあ、唯もムギも」 梓「天才の思考は常人には理解できないとは言いますが、まあ大体そういうことでしょう」 梓「そして私がさっき言ったことを裏返すと、変人要素が強いほど書き辛くなります」 律「今更だけど変人って言い方もどうなんだろうな」 梓「……そこは四コマ漫画的っていう枠内での表現ってことで見逃して下さい」 梓「で、ムギ先輩はと言うと、私たちの中でも圧倒的に変人枠要素が強いです」 律「変人呼ばわりするのは気が引けるけど……まあそうかもな」 梓「私だってそう呼ぶの嫌なんですから愚痴愚痴言わないで下さい!」 律「ご、ゴメン」 699. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 44 30.05 ID lge1fhYN0 梓「……取り乱しました、話を戻します」 梓「ムギ先輩はそれに加えて、明かされていない所謂謎要素も多くあります」 律「家のこととか過去の回想が全然無いこととかな」 梓「その辺りを想像で補うしかないので、そこを使うSSとなると一気に難易度は上がるでしょうね」 梓「百合属性もムギ先輩の大きな魅力の一つですが、本人はどうなのかという扱いづらい側面もありますし」 梓「それに、描写されている会話シーンが比較すると少なめなのも大きいかと思われます」 律「別に、普段からけっこう普通にしゃべってるけどなー」 梓「ティータイムの時に唯先輩と談笑してるシーンとか、探せば色々あるんですけどね」 梓「ただ、描写されていないと一見あまり喋っていないように思えてしまいます」 梓「それ故か実際よりも私たちと距離が遠いように思っている人も多いんじゃないでしょうか」 律「ああ……澪とかその最たる例だな」 梓「澪先輩については、カップリング語りの時にでも突っ込みたいと思います」 700. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 47 52.07 ID lge1fhYN0 梓「……まあ、そんな事情もあってか会話シーンが想像できないなんて人もいそうですね」 梓「ムギ先輩のCPが他の人気CPに圧され気味なのも、この辺りに由来しているんじゃないでしょうか」 梓「そしてまた、一歩扱いを間違えると魅力を大幅に損なってしまうのも敬遠されてしまう理由の一つかと」 律「かわいいのにな、ムギ」 梓「それ放課後ライブでも言ってましたね、律先輩は」 律「何人あのイベントを見てるかは未知数だけどな」 梓「そもそもSS書いてる人の中に何人あのゲームをやってる人がいるんでしょうか……」 梓「とまあ、ゲームの宣伝はともかくですよ」 律「あ、宣伝だったんだこのやり取り」 702. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 50 21.67 ID lge1fhYN0 梓「それとは逆に、扱いに成功したとき他には無い無敵のかわいさを発揮する人でもあるんです」 律「ああ、わかるなそれ」 梓「SSの例を挙げると、『紬「お人形遊び!」』とかでしょうか」 律「あれ読んだときは正直身悶えたなホント」 梓「キモいですね」 律「怒るよ?」 梓「さておき」 律「置くなコラ」 梓「爆発力に優れる反面扱いが非常に難しい、それがSSにおけるムギ先輩だと思います」 梓「なので、書くときは自分の中である程度キャラが固まってからにするのをオススメします」 律「それはどのキャラにも言えることだけどなー」 梓「黙って下さいカチューシャ先輩」 律「誰がカチューシャ先輩だあずにゃん」 梓「……ちょ。ギブ。ギブですから。グフッ」 704. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 53 07.89 ID lge1fhYN0 ―― 梓「さて、そろそろカップリング語りに入っていきたいところですが」 律「長い前置きだったな」 梓「その前に、ムギ先輩がどんな人かについて軽く触れておきたいと思います」 律「まだあるのかよ」 梓「そう言わないで下さい、これを先に言わないとカップリング語りに入れないんですから」 律「まあ、私は別にいいけどさ……読む人のことも考えようよ」 梓「長くても読む人は読みますし読まない人は読みません」 律「いや確かにその通りだけども書いてる側が言っちゃダメだろそれ」 梓「というわけで、ムギ先輩はどんな人かです」 律「強引に突き抜けやがったコイツ」 706. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 55 17.79 ID lge1fhYN0 律「ていうか、さっきやった分析とは違うのか?」 梓「さっきは、ムギ先輩がどうして書きにくいかに焦点を置いて掘り下げましたが」 梓「今度はムギ先輩自身に焦点を置いて話していきます」 律「はあ、分かるような分からんような」 梓「まあぶっちゃけた話、この後のカップリング語りをしやすくするためだけの付け足しの説明ですけどね」 律「ああ、つまりはさっき説明し損ねたのか……」 梓「みなまで言わないで下さい」 707. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 22 58 18.90 ID lge1fhYN0 ―― 梓「さて、上手い切り出し方も思いつかないのでさっさと言ってしまいますが」 律「酷いなもう」 梓「個人的な解釈ですが、ムギ先輩は『皆以上に皆が大好き』な人だと思います」 律「まあ私たち全員に対して好意的なのは間違いないな」 梓「なので、思われているよりカップリングの難易度は低いはず、であって欲しいです」 律「願望系かよ」 梓「また特殊な属性として、気配り上手で世話好きという『姉属性』と」 梓「無邪気で子供っぽくて世間知らずという『妹属性』を併せ持つ点にも注目したいところです」 律「ほうほう」 梓「さて説明も終わったのでカップリング語りに移行します」 律「いや短っ!本当に付け足しかよ」 梓「だから、そう言ったじゃないですか!?」 律「逆ギレ!?」 709. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 03 53.86 ID lge1fhYN0 ―― 梓「それでは改めてカップリング語りに入っていきたいと思います」 律「やっとか」 梓「どんな組み合わせなのか、そのカップリングの魅力そして」 梓「マイナーなカップリングにおいて、こうすればいいのではというのがあったり無かったりします」 律「無かったりてお前」 梓「人間の想像力には限界があるんですよ……」 梓「また、あくまで一例・一つの解釈であって特に絶対ではないので話半分参考程度に留めてほしいです」 梓「あと、前に全カプ語りをやった人と同様にCPにおける名前の前後は別に区別しません」 711. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 07 12.29 ID lge1fhYN0 梓「それでは始めます、唯紬・紬唯からです」 梓「某大手お絵かき系サイトでは一番人気のカップリングですね」 律「名前伏せる意味あるのかそれ?」 梓「全カプ語りをやった人も言っていた通りヴィジュアル面での火力も非常に強力ですが」 梓「メンタル面においても、この二人はかなり波長の合ったいいコンビだと思います」 律「(またスルーか……)まあ、二人とも天然だしな」 梓「例を挙げると、コスプレや水着をまったく抵抗なく着るところ」 梓「澪先輩の拒否反応時・律先輩のがに股禁止時のコンビネーションなど、他にも色々ありますね」 梓「SSにおいては他に無いとてもほんわかとした雰囲気を出せるのが最大級の魅力です」 梓「またそんな組み合わせでありながら切ない系やシリアス系の話がいけるのも大きな側面ですね」 712. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/24(木) 23 10 21.95 ID lge1fhYN0 律「唯紬の長編は名作揃いだよな」 梓「はい、それはもう」 梓「あと、唯先輩がムギ先輩の百合好きに気付いているかいないかで話の展開も変わりそうですね」 梓「そこはアニメ・原作共に一切描写が存在しないので」 梓「新しくSSを書くときにはその辺りなんかに触れてみても面白いかもしれません」 梓「それに本編でも絡みは多いので、そちらから想像を膨らませていっても良しです」 梓「これ書いてる人が一番好きなカプというのもあってまだまだ書きたいことは山ほどありますが」 梓「書き始めたらキリが無い気がするので次に行きたいと思います」 2
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「リンゴと苺とバナナ…。うーん、果物はこれくらいでいいかな?」 本日は全国的に2月14日のバレンタインデー、事の発端は約2週間ほど前へと遡る。 2月にも入るとテレビでは毎年恒例のバレンタインデー特集がどの番組でも組まれていた。 たまたまその時見ていた番組で取り上げられていたのは噴水状のチョコレート、 いわゆるチョコレートファウンテンという奴だった。 それを隣で見ていた恋人が今年はこれをやりたいと言い出した。 最初は面倒臭そうなので断ろうとしていたけど、結局最後は私が折れる事になった。 付き合い出してから結局いつも肝心なところでは弱いんだよね。 これも惚れた弱みって奴なのかな? という訳で、本日の予定はそのチョコファウンテンを使った二人っきりのバレンタインパーティー。 そして今はその準備の買い物中な訳なのだ。 「えーと、マシュマロはお菓子コーナーだから…」 買い物カゴの中身と手元のメモを確認して次の売り場へと向かおうと思ったその時、 何やら背後に不穏な気配を感じた私はそっと振り向いた。 「あ…」 こっそりとアイスを買い物カゴに入れようとしていた今回の言い出しっぺは「バレちゃった?」みたいな顔で笑ってる。 「唯先輩…、何してるんですか…?」 「えっと、あ、アイスも食べたいなーって!」 私の冷たい口調に彼女は目を逸らし慌てて答える。 「駄目です!今日はチョコレートがあるんだからアイスはいりません!」 「えー、アイスも美味しいよ?」 「そういう問題じゃありません!そもそも家に帰ればこの間買ったカップアイスが残ってるじゃないですか!」 「だって…、アイスにもチョコかけてみたかったんだもん…」 「だってじゃないです、ちゃんと戻してきて下さい」 「ぶー、あずにゃんのケチー」 唯先輩はしょんぼりした姿でアイスを元の場所に戻しに行こうとする。 「…一つだけですよ。溶けちゃうからアイスは最後に買いましょう」 私ってホントに弱いなぁ…。 「あ、あずにゃーん!!」 「ちょ、ちょっと!!こんなとこで抱きつかないで下さい!!」 人目も憚らずに私をぎゅっと抱きしめてきた唯先輩を慌てて引き離す。 「あ、でも一個じゃ駄目だよ二個買わないと!」 「え、なんでですか?」 「だって、あずにゃんの分も買わないと!」 ああ、ホントのホントに弱いなぁ…。 ちょっとそんな事言われただけで堪らなく嬉しくなっちゃうくらい、 どうしようもない程に私は恋している。 買い物を済ませ帰宅し、早速準備へと取り掛かる事にした。 とりあえず材料を取り出してキッチンに二人並んで下拵えをする。 買ってきたフルーツをそれぞれ小さく一口大にカット、 トーストはキツネ色になるまで焼いてサイコロ状に切っていく。 「唯先輩、つまみ食いしちゃ駄目ですからね?」 「ぎくっ!み、見てた?」 「見てなくても唯先輩のする事くらい分かります!」 どれだけ私が貴女のことを見てきたと思ってるんですか。 「ま、まぁまぁ、あずにゃんも一口どうぞ」 そう言って苺を摘んで私へと差し出す。 「そんなんで誤魔化されま…むぐむぐ」 なんだかんだで大人しく食べさせられて誤魔化されてしまった私。 今日はなんだかこんなのばっかりだなあ。 そうこうしている内に準備も一通り揃ったのでいよいよ本番開始だ。 テーブルの中央に鎮座しているチョコファウンテンの周りに先ほどのフルーツやお菓子、トーストを並べる。 ファウンテン自体は通販で家庭用のものは意外にも手頃な値段で購入する事ができた。 まぁ、今後これを使う機会があるかというとかなり疑問ではあるのだけれども。 「いよいよだね!」 唯先輩がじっと見守る中、液体状のチョコレートを機材に注ぎ込む。 ちなみにこれは話を聞いたムギ先輩が譲ってくれたものだったりする。 という事は、琴吹家では普段からこういうのを使ったパーティーを開催しているという事なんだろうか。 うーむ、時々忘れそうになるけどムギ先輩って本当に冗談抜きのお嬢様なんだよね。 「じゃ、じゃあスイッチ入れますよ」 カチリとスイッチをONに入れると小さなモーター音と共にチョコレートが流れ始めた。 「おぉー!」 「おぉ…」 隣で唯先輩が目をキラキラさせながら感嘆の声をあげ、私も釣られて声を出してしまった。 「あずにゃん!凄いよ!テレビで見たのと同じなんだよ!」 「テレビでやってたのよりはちょっと小さいですけどね」 嬉しそうにはしゃぐ唯先輩が感謝の言葉と共に抱きついてきた。 「私がワガママで言った事なのにこうやって本当にやってくれたんだもん。色々準備してくれてありがとうね」 「別にそんなに感謝される程の大した事はしてませんって」 だって私はあなたの恋人なんですから、喜んで貰えるならこれくらい容易い事なんです。 「ううん、本当に嬉しいよ。あずにゃんみたいな素敵な恋人とこんなバレンタインを過ごせるんだもん」 もう、この人は素面でそういう事を平気で言うんだもん。 「わ、私もです…」 上手く言葉に出来なかった分の想いは回された腕をぎゅっと抱きしめて伝える。 「うん。よし、それじゃあ食べよっか!」 「そうですね、唯先輩はどれから食べます?」 「じゃあ、苺から!」 「あ、それじゃあ私も同じのにします」 付属の串に刺した苺をタワーから流れるチョコの滝に潜らせて口に運ぶ。 「美味しい!!」 「甘くて美味しいですね」 苺の酸味とチョコの甘さが絶妙な調和となって混ざり合っている。 というか、多分これムギ先輩から貰ったチョコがめちゃくちゃ良いんだと思う。 濃厚な甘さとまろやかさ、それでいて後を引かないこの品質、 ひょっとしてどこかの王室御用達とかそういうレベルなんじゃ…。 こ、怖い!私たち一体お値段いくらのものを使ってるの!? 「あずにゃん!こっちのバナナとマシュマロも美味しいよ!」 「プチシューも美味しいですし、トーストでも美味しかったです!」 しかし、そんな危惧とは裏腹に一度刺激された食欲は留まる事は無く、 次から次へと私たちは手と口を動かすのだった。 結論として、あれだけあった品数もわずか30分程度で残さず全て私たちの胃袋に収まる事になった。 「いやー!美味しかったねー!!」 「はい、流石にお腹いっぱいです」 「うん!でもチョコがとっても美味しいからなんだかまだ食べれそうな気がするよ!」 「これ、あとでムギ先輩にちゃんとお礼しないと駄目ですね」 とは言ったものの実際何でお礼して良いものやら…。 いちおうバレンタインプレゼントとして貰ったものとして、 とりあえずはホワイトデーには何かちゃんとお返しをしないと駄目だなぁ。 などと考え事をしている私の隣で唯先輩は何やら真剣な顔をしている。 電源は入ったままなので未だ流れ続けてるチョコを見つめながら何やら考え事でもしてるようだ。 「唯先輩?」 「えい!」 私が声をかけるのと同時に唯先輩は掛け声と共に人差し指を流れるチョコに突っ込んだ。 そして、高級チョコにコーティングされた自分の指を口元へともっていきペロリと舐める。 「唯先輩…、お行儀悪いですよ…」 「あずにゃんも舐める?」 そんな子供みたいな行動にぼやく私に唯先輩は悪戯っぽく笑いながら応じる。 正直な気持ちではもうちょこっと食べたい気持ちもあるけれども、 流石に唯先輩みたいな食べ方は自称常識派としては許容できない。 「私はいいですよ。そんな風にお行儀悪い食べ方はしません!」 「はい、あずにゃん。あーん♪」 ハッキリと断りの言葉を告げたにも関わらず、 唯先輩は再び指にチョコを絡めると私に差し出してきた。 えっと、これは、つまり、舐めろと…? 私が?その指を? 「ほら、あーんだよ♪」 困惑する私を促すように声をかけられる。 これはもう行儀が悪いとか悪くないとかそれ以前の問題だ。 なのにそんな気持ちとは裏腹に私はおずおずと口を開くとそっとその指を咥えた。 「はむっ…、んっ…、ちゅ…、ちゅぱ…」 甘いチョコの奥に唯先輩の匂いを感じると背筋をぞくぞくしたものが駆け上がる。 そのまま私は指の形をなぞるよう丁寧に丁寧に舌を動かし続けた。 「んっ…、んふっ…、はぁ…、ちゅぱっ…ちゅ…」 「…美味しい?」 既にチョコは全て舐め取り終えたにも関わらず、 未だ必死に舐め続けていた私は慌てて口を離した。 「す、すみません…」 先ほどのまでの自分の恥ずかしさで頬が熱くなる。 いつもの他愛もないコミュニケーションだったはずが、 まるで発情したかのような行為をとってしまっていた。 そんな私を眺めながら唯先輩は三度チョコを指に絡ませる。 「もっと欲しい…?」 その蠱惑的な誘惑の前に理性や羞恥などはもはや意味を成さず、 私はただコクリと小さく頷く事しかできなかった。 「じゃ、あずにゃん。…あーんしてごらん?」 私はただ言われるがままにだらしなく口を開き、 ゆっくりと近づく指に期待しながら目を閉じた。 「ふぇ…?」 しかし、そんな期待を裏切ってその指は腔内へと到達する前に唇で止まる。 そしてそのままルージュを塗るかのようにそっと私の唇をなぞっていくのだった。 「唯…、先輩…?」 戸惑う私に唯先輩は艷めいた笑みを浮かべ小さく呟く。 「ふふ…、いただきます…」 そうして、チョコレートよりも甘い時間が始まった。 Fin- 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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298 名前:SS「みおのおんがえし」[sage] 投稿日:2009/07/18(土) 23 00 43 ID 6r50khex 唯「澪ちゃんっておっぱいおっきいよねぇ……」 澪「そ、そんなことないよ?」 梓「そんなことありますって」 律「何食ったらこんなにでっかくなるんだーっ!?」もみもみ 澪「ちょっ、やめっ、やんっ」 唯「……それじゃない?」 律「えっ?」 唯「ほら、よく揉まれると大きくなるとか言うじゃない」 律「エロマンガの読みすぎだろそれは」 唯「でも……ねぇ?」 紬「しょっちゅう揉んでるものねぇ」 梓「昔からそうだったんですか?」 澪「そういえば……中学の頃なんて2時間に1揉みはされてたような……」 唯「りっちゃんの性欲魔神……」 律「ち、違っ!そんなに揉んでないって!」 梓「でも律先輩ならねぇ……」 紬「やりそうねぇ♪」ボタボタ 唯「ムギちゃん鼻血鼻血!」 律「そんなに揉んでないって!嘘つくなよ澪ぉ!」 澪「いやいや揉まれてたって。でなきゃこんなに育つはずないじゃないか」 律「でもぉ……」 澪「キャベツ食べて大きくしようと頑張ってるんだよな。でもやっぱり揉まれなきゃ育たないのかもな」 唯「りっちゃんかわいい……」ぷるぷる 律「うぅ……///」 澪「というわけで、中学までの礼をしてやるか」がばっ 律「えっ?うわぁ!」 澪「……」もみもみ 律「な、何しやがる澪!」もまれもまれ 澪「……」もみもみ 律「ちょ、マジで怒るぞ!」もまれもまれ 澪「……」もみもみくりくり 律「だ、めぇ……」もまれもまれ 唯「……」ごくり 紬「……」ぼたぼた 梓「……」●REC 律「はぁ……はぁ……」 ガラッ 和「ちょっと律!また申請書出して……な……い……」 和「……ご、ごゆっくり……あ、書類は後でいいから。私今日は帰らないで待つからね。後で生徒会室来てね」 律「た、助けて和っ!今欲しいのはそんな優しさじゃないよぅっ!」もまれもまれ 澪「今までの分、たぁっぷり返してやるからな?」 萌えアニメの温泉話とかにありがちなおっぱい話 やっぱり澪ちゃん動かすの楽しい 出典 【けいおん!】田井中律はシンバル可愛い44【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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梓「好きなのはわかるんですけど、何個買うつもりですか。絶対食べ切れませんから、やめてください」 唯「でも、あれもこれも食べてみたいんだもん…」 梓「気持ちはわかりますけど、ダメです」 唯「はぁ、駅弁のハーフ ハーフとかあればいいのに」 梓「チョイ食べみたいな小さいのとかあるといいかもですね」 唯「でも確かに、残してももったいないし、あずにゃんの言うとおりだよね。これ一個にするよ」 梓「賢明です。ちなみに二番目に食べたいの、どれでした?」 唯「え?それかな」 梓「じゃあ、私これにします。これではんぶんこにすれば、二つは味わえますよ」 唯「おお……あずにゃんすごい!でも、あずにゃんはいいの?他に食べたいものあったんじゃ」 梓「いいえ、実はどれにしようか決めかねていたので。というか、元々そうするつもりでしたし」 唯「あずにゃーん!」 梓「わっ、ちょっ!弁当落ちますから!そういうのは席についてからにしてください!」 唯「怒られた……はーい。じゃあ、買って来るね」 梓「はい、お願いします」 唯「戻ったら、一緒に食べようね」 梓「はい……えっと、あーんはなしですよ?」 唯「ええー!」 唯「はい、あずにゃん。あーん」 梓「あーん……流されてるなあ、私」 唯「あずにゃん、おいしい?」 梓「はいです。じゃあ、唯先輩もどうぞ」 唯「あーん……えへへ、あずにゃんの味がして美味しいよ」 梓「なんですかそれは、もう」 電車でどこ行こうとしたのかな? -- (鯖猫) 2012-11-02 00 29 15 旅じゃなくてお弁当前提? -- (あずにゃんラブ) 2013-01-07 01 55 10 最高じゃん -- (名無しさん) 2014-04-26 08 04 16 これは・・・! お弁当前提! -- (唯ちゃんラブ) 2017-11-18 09 21 39 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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第7話「救出劇!」 ある晴れた日曜日、唯ちゃんとりっちゃんは公園で楽しくキャッチボールをしていました。 律「よーし!唯、いくぞ! それっ」シュッ 唯「ほいっ!」パシッ 律「うぅん…、今のは我ながらなかなか良い球が投げられたぜ!」 唯「……こんな球で満足するなんてりっちゃんもまだまだだね。あまちゃんだよ」 律「な、なんだとー!? じゃあ唯、私のを上回るボールを投げてみろよ!」 唯「おまかせください! 私がお手本を見せてあげるね!」フンス 律「くそー、偉そうに……。できるもんならやってみやがれ!」 唯「…じゃあいっくよー! 必殺!スーパージャイロナックルボール!!!」ツルッ 唯「…あっ」 律「っておいっ!!どこに投げてんだよ!」 ヒューン…… ポトッ 唯「あっ……あの家の塀の中に入っちゃった!!」 律「おいいいいいいい」 律「とりあえずボール取ってこいよ!」 唯「えー……。 あ、あのボールはもう諦めない?」 律「やだよ!てかあれ私のボールだし!!」 唯「だってー!あぁいう家にボール入れちゃうと……」 唯『すみませーん。ボール落としちゃいましたー。…てへっ』 家主『……』プルプル 唯『あ、あのぅ……』 家主『バッカモーン!!公園でボール遊びはしちゃダメだといつも言っとるだろうが!! ガミガミガミガミ……』 唯『ひぃいいいいい』 唯「…ってなるよきっと!」 律「いつの時代の話だよ!!」 唯「でも、今の時代もそういう人がいないとは限らないでしょ? だからやめておこうよ……」 律「いーやーだー!あのボール結構高かったんだぞ! ていうか大体、今時そんな雷親父いるわけないだろ」 唯「そんなこと言ってるならりっちゃんがボール取ってくればいいじゃん!」 律「は、はぁ!?なんで私が!? ボール投げ込んだのは唯だろ!」 唯「だってりっちゃんは雷親父なんていないとと思ってるんでしょ? だったら怖いものもないんだしりっちゃんが取ってきてくれてもいいじゃん」 律「まぁそうだけどさぁ……」 唯「おねがーい。今度アイスおごるからさー…」 律「……2段重ねなら考えてやってもいいぜ」 唯「う……。わ、分かったよ。背に腹はかえられないよ」 律「よーし、契約成立だな! まったく、今の時代そんな怖い人なんているはずないのに……。ラッキーだぜ」 唯「そんなこと言って油断してるときっとカミナリ落とされるよ……」ブルブル 律「ないない。心配するな、唯!私がスマートに取ってきてやるからな! そこで待ってなさい」 唯「あぁ……りっちゃん!無事に帰ってこれるよう祈ってるよ……」 律「大げさだなぁ……。じゃあ行ってくるな」 唯「りっちゃん!ご武運を!!」 律「まったく。唯もビビりすぎだよなー、たかが庭に入ったボールを取ってくるだけだろうに」スタスタ 律「……この家だな。 うひゃー、結構な豪邸だなー…。まぁいいや、ちょっと失礼しますよ」キィーッ 律「そーっと、そーっと……」チラッ 番犬「……」ギロッ 律「え」 番犬「バウバウバウ!!!」 律「!? う、うわぁああああ!!?」ダッ バウバウバウ!!! ウワァアアア 唯「!? これは…りっちゃんの声!?た、大変だ!」ダッ 唯「りっちゃん!!だ、大丈夫!?」タタタッ 律「ハァ……、ハァ……。あ、唯…。と、突然犬にほえられて……」 唯「だから油断するなって言ったでしょ!油断大敵だよ!」 律「だ、ってまさかこんな大きな犬がいるとは思わなくって……」 番犬「……」ギロッ 律「しかもまだこっち見てるし……」 唯「きっとりっちゃんのことが好きなんじゃない?」 律「縁起でもないこと言うなよ……」 律「でもどうしよう…。コイツがいる限りボール取れそうにないな…」 唯「…そうだね。怖いしねー」 律「とりあえずここから一旦出て作戦を練り直すか」 五分後 唯律「うーん……」 紬「……あら?唯ちゃんとりっちゃんじゃない!唯ちゃーん!りっちゃーん!」ブンブン 唯「あ!ムギちゃんだ!」 紬「どうしたの?こんな道端で……? 考え事?」スタスタ 律「あー……ムギ、実はかくかくしかじかってことがあって……」 紬「……つまり大きな犬がいてボールが取りにいけなくて困ってるってことね?」 律「そういうこと。 ムギー、何かいい案ないー?」 紬「うーん、そうねぇ……」 紬「……あっ! いいこと思いついたわ!!唯ちゃん、りっちゃん!!ちょっと待ってて!」ダッ 唯「!? む、ムギちゃん!? ……もの凄いスピードで行っちゃった…」 律「ムギの奴 急にどうしたんだ…?」 数分後 紬「おまたせー」タタタッ 唯「あ!ムギちゃんおかえりー! …急にムギちゃん走りだしたからちょっとびっくりしたよ」 紬「ごめんね、唯ちゃん? でもいいもの買ってきたわよ!」 律「……コンビニの袋だな。何買ってきたんだ?」 紬「えぇ。ちょっとそこのコンビニで最高級品質のビーフジャーキーを買ってきたわ!!」 律「……え?最高品質……?」 唯「!!なるほど! それをエサにして犬がビーフジャーキーを食べてるスキにボールを取に行くって作戦だね!」 紬「そういうことよ!唯ちゃんはもの分かりがいいわねー♪」ナデナデ 唯「えへへへ///」 律「おいちょっと待て。ムギ、そのビーフジャーキー一体いくらしたんだ……?」 紬「えーと、5000円くらいだったかしら」 唯「!? ご、ごせんえん!?」 律「高っ!! い、いいのかそんな高級なモノ使っちまって!」 紬「だってあそこのコンビニにはこの種類のしか売ってなかったから……」 律「品揃え悪っ!!なんだそのコンビニ! 全然コンビニエンスじゃねぇし!!」 紬「…まぁそんなことよりも!今はボールを取らなきゃ、でしょ?値段なんか気にしてる場合じゃないわ」 唯「そうだよりっちゃん!今はボールを取るほうが大事だよ!」 律「そ、そうだよな! ……そうなのか?」 紬「とにかく、やってみましょ?」 律「わ、分かった。じゃあまずは私が入るからムギは後方から ビーフジャーキーで上手く犬の気を引いてくれ。頼んだぞ!」 紬「分かりました隊長!!」ビシィッ 律「よし、行くぞ……」スタスタ 番犬「……!」ギロッ 唯「ひぃっ!き、気づかれちゃったよ!」 律「よし、今だ!! ムギ、ビーフジャーキーをっ!!」 紬「分かったわ!! それっ!」ポイッ 番犬「! ワンワン!!」ダッ 番犬「〜♪」ムシャムシャ 律「よしっ! 今だ!!」ダッ 律「えーと、ボール、ボール……。どこだー?」キョロキョロ 番犬2「…………」ギロッ 律「……えっ」 番犬2「バウバウバウ!!!」 律「うわぁっ!!!も、もう一匹いたのかよ!!」 唯「ちょっ……!りっちゃん大丈夫!?」 律「はぁ、 はぁ……。び、びっくりした……」 番犬2「グルルルル……」 唯「まさか2匹目がいたなんて……。しかももう一匹の犬より大きくて怖いよぉ……」 律「と、とりあえず離脱するぞ唯隊員!」ダッ 唯「アイアイサー!」ダッ 番犬2「バウバウバウ!!!」 ・・・・・・ 紬「ど、どうだった!?」ドキドキ 唯「だめだったよ、ムギちゃん……」 律「まさかもう一匹いるとは……」 唯「ムギちゃん、もうビーフジャーキーは残ってないの?」 紬「ごめんなさい。一つしか買っていなくって……」 唯「そっかー……。残念……」 紬「ま、またコンビニに行って買ってこようか?」 律「いやそれは流石にムギに申し訳ないよ。一個5000円だし……。別の方法を考えよう」 唯「ちょっと待って。お金はりっちゃんが出せばいいんじゃない?」 律「……唯隊員、私にそんな大金が出せると思うか? てか何度も言うけどボール投げ込んだのはお前だろ」 唯「そういえばそうだったね……。じゃあさっさと別の方法を考えようか!」 律「…ほんと、調子のいい奴だな」 唯「そうかな? えへへ……」 律「ほめてはないけどな」 唯「……でもだからと言ってほかにいい方法あるのかなー? ここはやっぱりムギちゃんにもう一回コンビニに行ってもらった方が……」 センパーイ・・・ 紬「あら?どこからか聞き覚えのある声が……?」 梓「唯先輩!律先輩!ムギ先輩!!」タタタッ 唯「あ、あずにゃん!?」 梓「はい。唯先輩こんにちは。 どうしたんですか、こんな道端で皆さん?遊んでいるわけでもなさそうですし」 律「あー、梓……。 実はかくかくしかじかってことがあってな……」 梓「……つまり、ボールがそこの家の庭に入ってしまって、番犬がいて ボールを取るのに苦労してるってことですね?」 唯「そういうこと! ……ねぇあずにゃーん。何かいい作戦ないー?」 梓「作戦って……。 そんなこと言ってるからいつまでたってもボール取れないんですよ。 ここは家の人にきちんと謝ってからボールを取りにいくべきです!」 唯「えー!?そ、そんな危険な……!!」 梓「どこが危険なんですか! 悪いことをしたらきちんと謝ることは人として当然のことでしょう!」 律「そ、そうだけど……」 梓「なんでそんなにイヤそうなんですか! ただ謝るだけじゃないですか」 律「でも、なんかその……怒られたらいやだし」 梓「悪いことしたんだから怒られるのは当然でしょう!もうインターホン押しちゃいますよ」ピンポーン 律「ちょっ!待てはやまるn」 律「……あぁ、終わった……。何もかも…」 梓「んな大げさn」インターホン「Hello?」 律梓「え」 唯「!? え、英語っ!?」 紬「が、外国人さんが住んでいるのかしら……?」 梓「ちょっ、えっ!? せ、先輩方どうしましょう!?」 律「……頑張れ、梓」 唯「応援してるよ、あずにゃん」 紬「梓ちゃんならきっと話せるわ」 梓「って何にもフォローしてくれないんですか!? てかなんで私が話すことになってるんですか!」 律「まぁ、言いだしっぺだし……」 唯「あと流れ的に?」 梓「なんですか流れって!!」 梓「……あ!!そうだ確かムギ先輩は海外とかにもよく行かれるんですよね!?それなら結構英語も」紬「No」 梓「あ、はいそうですよねすみません嘘ですごめんなさい」 梓「……はぁー、分かりましたよ。私が頑張ってお話してみます」 紬「頑張ってー!梓ちゃーん!」 唯「フレー、フレー!あーずーにゃん!!」 律「梓ー!いったれー!」 梓(き、緊張してきたー!)ドキドキ 梓「は、はろー……?」 インターホン「Who is it please?What is your business here?」 梓「び、びじねす……? あ、あの、えと…………。」 梓「ソ、ソーリー!!アイドントスピークイングリッシュウェル!! sumimasendeshitaッ!!」ダッ 紬「あ、梓ちゃーん!!」 2
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あずにゃんへ 今度の夏祭り、久しぶりに軽音部の皆で行くって約束でしたが、何でも、 澪ちゃんがどうしてもりっちゃんと二人で行きたいと言ってるらしくて、集合は三人に なりました。二人は今おアツいから、許してあげてね。 昨日唯先輩から送られてきた一通のメール。その最下に書かれていた待ち合わせ場所を 三度反芻して、私は家を出ました。今日がその夏祭り当日。先輩方が卒業して以来、 初めての再会です。夏休みの間はずっとこっちにいてくれるからいつでも会えるとはいえ、 それでも再開初日というのは嬉しいような気恥ずかしいような、不思議な気分です。 夕方六時のチャイムが鳴る頃には、青空に赤い影がぼんやり滲んで、じいじいと耳を つんざくような蝉時雨も、まるで川の流れのように滑らかな音色になる、そんな時期に なりました。 風も僅かながらそよそよと穏やかに流れていて、心地良い暑さが夏の終わりを、 ぼんやりと連想させました。 川を越え信号を渡り歩くことおよそ十分。曲がり角を抜けた所、遠目に先輩たちの姿を 確かめることが出来ました。 「あっ、おーい! あずにゃーん!」そう私が気付くや否や、唯先輩も私に気付いたらしく、 こちらを向いて、手を広げながら駆け寄ってきました。 あぁ、懐かしいなぁ。唯先輩はいつも私と会えば、真っ先に駆け寄って抱き着いてきて いました。しかし、今日の問屋は高めの為替。何故なら唯先輩と私の距離は、遠目と言う ほどに離れているわけで…… 「これだけ離れてて、かわせないわけがないです!」 とはいえ、今身体をズラすにはいささかタイミングが早すぎて、もうちょっと近づかせない ことには、唯先輩が対応できてしまいます。もうちょっと近づいてもらわないと。 もうちょっと、もうちょっと…… 「梓ちゃん、久しぶりね~」 「わっ!?」 突然背後から話しかけられ、思わず後ろを振り向きました。声の通り、そこには ムギ先輩がいました。しかし、一体いつから背後に……? 「もう、ビックリしましたよムギ先輩」 「あらあら、ごめんなさい」 「……あの、どうして少し距離を置くんですか?」 「だってここがベストスポットだもの」 「ベスト……?」 言ってる意味はすぐに分かりました。 「あずにゃん久しぶり~! ずっと会いたかったよ!」 「うにゃあっ!?」 いつの間に距離を埋めた唯先輩が、後ろから思いっ切り抱き着いてきたのですから。 「半年ぶりのあずにゃん分だ~! お肌のモチモチもあったかさも変わんないねえ」 「や、やめてください唯先輩ぃ!」 そうやって言う唯先輩も、やっぱり半年前と何も変わらない。でも半年の月日が流れて いたことは確かなだけに、すっかり免疫の無くなった私の心臓は、途端にばくばくと 早鐘を打ちだしまして…… 「ム、ムギ先輩、助けてくださ」 「半年ぶりの唯梓分……! あぁ、どんどん癒されていくわ!」 「それどころじゃないご様子で……」 結局、これまでの空いた穴を埋めるように、私は唯先輩に思う存分味わされたのでした。 「もう。頬ずりまでしたんですから、人前でくっつくのはダメですよ」 「えぇ~。あずにゃんは手厳しいなぁ……」 唯先輩がそう不服そうに呟くのを、隣でムギ先輩が慰めていました。 ……後ろを歩いているお陰で、離れた後でも足が震えてるのはバレてない、 と思いたいです。 「それにしても、あずにゃんが何も変わってなくて良かったよ~。反応は前より可愛く なってたけど」 「う、うるさいです。……でも、唯先輩もムギ先輩も、お変わりないようで良かったです」 「あ、でもねあずにゃん。ムギちゃんは大学生になってからたくさんバイト始めたんだよ」 「え、そうなんですか!?」 ムギ先輩を見ると、そうなのよ~とこくんと頷き、 「社会勉強をしたくてね。レジ打ちとか古本屋さんの棚整理とか、色々始めたのよ」 「いくつも掛け持ちしてるんですか、スゴいですムギ先輩!」 「褒めてもお茶は出ないわよ~」 スゴいと言われて、ムギ先輩はとても嬉しそうでした。お金に不自由なんてしないのに、 自ら進んで働くなんて、ムギ先輩は人がよく出来ています。 「後ね、澪ちゃんとりっちゃんは別のサークルにも入ったんだよ。二人とも同じ 『しいた』同好会なんだって」 「……角度同好会とは、かなりマニアックな集まりですね」 「ぷぷっ。あずにゃん、知ったかぶっちゃダメだよ~」 ムカッ。確かにダメ元で言いましたけど……。 唯先輩は得意気に続けます。 「あずにゃん、『しいた』っていうのはね、この詩のどんな所がいいかを調べたり、 実際に作って見せ合いっこする所なんだよ」 「……唯先輩、その同好会、『しいた』じゃなくて、『しいか』だったりしません?」 「ほぇ?」 ムギ先輩の方を見ると、うんうんと二度首肯してくれました。 「……ま、この位すぐピンときますよ。先輩とは違って」 「あずにゃんが見下した! しどい… …」 「自業自得じゃないですか」 唯先輩がよよ、と泣き崩れるフリをしました。 「しかし、澪先輩はともかく、律先輩もそこに入ったんですね。意外っていうか……」 そう言うと、二人は示し合わせたかのように顔を見合わせて、ふふふと意味深に 笑いました。 「何かあったんですか?」 「うふふ、そこにも健気なドラマがあるのよ。初めは澪ちゃんが、もっと詩の勉強を したいってそのサークルに入ったのだけど、それを律ちゃんが聞いたら、その日の内に 律ちゃんも入っちゃったの。『澪のポエムが暴走したらマズい』とか『人見知りが 暴走して気まずくなった時の為に』って言ってたけど……」 「りっちゃんも素直じゃないよねぇ。二人のことはちゅーの一件で皆知ってるのに」 ねー、とまたまた示し合わせたように、二人が言いました。 「あの、私だけ話がついていけてないんですけど……」 そう言うと、二人の動きがぎくっと静止しました。 「あ、あれ、あずにゃん、何も知らない?」 「思い当たる節はありませんけど……」 「そ、そういえば、梓ちゃんはあの場にいなかったわね」 「澪ちゃんの寮に遊びに行った時のことだもんね。どうしよ……」 「他の人には絶対言うなって言われてるけど、でも梓ちゃんだし別に……」 何をひそひそ話してるんだろう……? そう思っていると、どこからともなく古典風な笛や太鼓の乾いた音色が聞こえてきました。 きっとお神輿が担がれ始めたのでしょう。 「お祭り、始まったみたいですね 「あ、ほ、ほんとだっ! 早く行こうよっ、ね、ねね!」 「そ、そうね。私も久しぶりだし、ちょっとでも長く見ていたいわ!」 「ささ、早く行こあずにゃん!」 「そこまで急かさなくても……」 結局さっきの話題は何だったんだろう、と少し気になりはしましたが、 程なく気にならなくなりました。 私だってお祭り前の訳ない興奮を覚えないはずはなく、殊に二人の先輩と再会して 懐かしさの渦中にいたのもあって、一刻も早く屋台の群れに入りたい気持ちの方が 勝りました。ひょっとしたら、この中で一番私が、今日というこの日を楽しみにしていた のかもしれません。 夕方のふわふわした暖かさが街へ溶け出したからでしょうか、薄灰色だった雲は 目を射差すような橙色に染まり、その日光と盆提灯、屋台からこぼれた白色蛍光が 混ざり合って、その光景はまるで夢や思い出の一シーンのように、全景がぼんやり滲んだ、 とても幻想的な風景でした。 「あずにゃん、たい焼き食べる?」 「ありがとうございま……って、いつの間にそんなに買ったんですか!?」 気付けば唯先輩は持てるだけの食べ物を買ったという風体で、さながら食べ物の 着ぐるみをまとっているかのようになっていました。 「まま、好きなの選んでよ。たこ焼きたい焼きさいきょう焼き、フライドポテトに スーパーポテトもあるよ」 「豊富ですね……」 最後のは商標的に訴えられたりしないでしょうか? 「じゃあ、たい焼きを一つ」 「あいまいど! お嬢ちゃん可愛いからタダね!」 「誰ですか」 そう言って受け取った一尾のたい焼き。紙ごしでも伝わる温かさは、屋台から貰った 出来上がりも同然の温もりでした。 ……もしかして、私が食べると思って、最後に買ってくれたのかな……? 「はむっ……。いつもより甘い気がします」 「ほんと? 買ってよかったぁ」 食べているのは私なのに、まるで自分事のように喜ぶのを見て、思わず私も笑って しまいました。 たい焼きを食べ終わる頃には、唯先輩の手元にはりんごあめしか残っていませんでした。 食べている最中にムギ先輩にも譲っていたのですが、それにしたって尋常じゃない スピードです。 「あずにゃん、そんなにじーっと見てどうしたの?」 「一瞬で食べ物が消えてたらじーっと見たくもなります」 そう言っても唯先輩は依然、小首を傾げて、自分の口元手元に目線をやっていました。 「あっ、分かった! りんごあめも食べたいんだ。欲しがりさんめ~」 見当違いもいいとこです。 「しょうがないなぁ~。はい」 「……はい?」 「私のアメあげるよあずにゃん。二人で分けっこしよ?」 「なっ…………!?」 とっさに私へ差し出しているアメに目を落としました。形はあまり崩れていませんが、 反対側の輪郭はもうしなっと曲がり、所々が濡れて妖しい光を放っていました。いや、 この濡れてるのって、もしかしなくても……! 「い、いらないです! 唯先輩の分が減っちゃうじゃないですか!」 「気にしないよ~。寧ろ食べきれるか不安だったから、あずにゃんに食べてもらえたら ありがたいなぁ」 拒むどころか、大義名分が出来てしまいました。 ど、どうしよう……。でも唯先輩が困ってるって言うなら、助けてあげるべきだよね……? そう、これはあくまで人助けなんです。あくまで唯先輩を助けるために…… 「あ、ムギちゃん。リンゴあめ食べる?」 「いいの? じゃあお言葉に甘えて~」 「あっ……」 悩んでいる間に、あめはムギ先輩の口に入っていき…… 「はい、あずにゃん」 そうしてムギ先輩を経てから渡されたリンゴあめは、何の躊躇いもなく食べることが 出来ました。感謝の気持ち半分、勿体ないことをされた気持ち半分で、私はムギ先輩を 見つめました。 「たくさん食べたし次は遊ぼうよ!」 「もう、ちょっとは休みましょうよ」 「ダメだよ~。お祭りは無駄なく遊ばないと」 ふんすと鼻を鳴らして、唯先輩はゲームの屋台がある左の小路へと入っていきました。 「もう、唯先輩は相変わらずですね」 「そうねぇ。でも、梓ちゃんがいるから、っていうのもあると思うわ」 「私?」 ムギ先輩は頷きました。 「唯ちゃん、梓ちゃんと会えるのをすごく楽しみにしてたもの。久しぶりにあずにゃんに 会える! って事あるごとに言ってたのよ」 「……どうせ、ひっつく相手がいなくて寂しがってただけですよ」 「うふふ、そうね」 そう言うと、雑踏の前から唯先輩の呼ぶ声が聞こえました。 「あずにゃんムギちゃん、人で溢れちゃってるよー……」 唯先輩が退いてきた先では、隙間も無いほどの人の群れ。ちょうど近くで神輿の掛け声が 聞こえるので、きっとそのせいでごった返してしまっているのでしょう。 「これを抜けるのは大変そうね……」 人混みを一目見て、ムギ先輩はそう呟きました。 「う……」 自然、前に進む足が固まってしまいます。どうしよう。もしはぐれちゃったら、二度と 唯先輩と会えないような……。折角、折角また会えたのに…… あーずーにゃん」 ふわっと、手に温もりが重なったような気がして、見ると唯先輩が、私の右手を すっぽりと包んでいました。 「これならはぐれないかなぁ、って思って……。ダメだったかな」 そう言って唯先輩ははにかむように笑いました。さっきの不安なんて霞にしてしまう ような、優しい、照れくさそうな笑顔。固まった身体が徐々にほぐれていく気がしました。 「……私と会いたがってた、って聞きましたから。特別です」 そう言って、より一層手を握る力を強めました。 「えへへ、ありがとあずにゃん。あずにゃんは優しいね」 「……優しいもんですか」 「優しいよ~っ」 ……どうせ鋭いなら、私の不甲斐ない気持ちも、見抜いてくれたらいいのにな。 「じゃ、行くよ。離れないようにしっかり握っててね」 私はそっと頷いて、それを合図にゆっくりと歩き始めます。もう一つの手で唯先輩の 手を掴もうか少し迷って、その手で後ろ髪の片尾をふいと払いました。 「ふぅ、どうにか抜け出せましたね」 「はぐれなくて良かったぁ……。でもムギちゃん、ごめんね、繋ぐ手の余りがなくって」 「大丈夫よ。私には百合の磁力があるもの。二人とは絶対に離れないわ」 「? 綺麗な磁力だねぇ」 人混みを脱した直後だと言うのに、ムギ先輩の呼吸も表情も、一切崩れていませんでした。 「あっ、ムギ~! 唯と梓も!」 一息ついた所で景色が開けると、偶然にも、眼前に律先輩が現れました。 「なんだ、結局放課後ティータイムは一つに集まる運命なんだな」 「運命だなんてっ……。りっちゃんロマンティック~」 「はは、澪の癖があたしにも移っちゃったみたい……」 律先輩は照れ笑いをして頭をかきました。 「そういえば澪ちゃんは?」 「あぁ、澪なら……」 そこで言葉を切り、後ろの方を指さします。澪先輩は、屋台をじっと睨んだまま、 何かを投げるようなポージングで固まっていました。実際何かを手に持っているようで、 それは…… 「あれ、輪投げですか?」 「そっ。だるま落としの方が簡単だって言ったのに、だるまが落ちんのは演技が悪いって 聞かなくて」 そう言ってる内に、澪先輩がさっと手首をスナップさせました。輪っかは手を離れ、 屋台の陰に隠れその所在は知れぬ所となりましたが、澪先輩の強張った表情が解けたと 思うと次にはがっくりとうなだれて、 「外したな」 「外したね」 「そんなに欲しい物があったのかしら」 「財布と電話を出さないでくださいムギ先輩」 やがて澪先輩が、がっくりとしたままこちらへ来ました。 「律ぅ……輪っかは完全に入ってなくちゃダメだってぇ……」 「あー、私もそれで神のカード貰えなかったなぁ」 帰って来た澪先輩は、律先輩の肩にしがみついてそうぼやきます。一方の律先輩は そんな澪先輩の頭を優しく叩いてあげていて……あれ、あれ。 「あの二人、あんなに距離近かったですっけ……」 「……隠すつもりもないみたいだし、もう言った方がいいよね」 「そうねぇ。あのね梓ちゃん、今二人はアツアツなのよ~」 「アツアツ? まぁあれだけ近かったら暑そうですけど……って、唯先輩! なんでそんな可愛いものを慈しむような目で見るんですか!?」 「いや~あずにゃんは初いのぉ、純粋だのぉ。そのまま大人にならないでおくんなまし~」 「だから何キャラなんですかってば」 「もうすぐ花火だって! 折角だから五人で見ようぜ!」 澪のお礼参りと行くか~! という鶴の一声で始まった屋台巡りも一通り堪能した後、 またまた律先輩の鶴の一声で、花火の見える場所まで移動することになりました。 前列の唯先輩達の会話を手持ちぶさたに聞いていたら、 「ぶつ、ぶつ……」 「み、澪先輩……?」 一緒に後ろを歩いていた澪先輩が心なしか、いや明らかにどんよりした様相で歩いて いました。 「あぁ、梓。いや、皆とこうしてまた集まれたのは嬉しいんだけど、今年こそ律と二人で 夏祭りに行こうって意気込んでたから、ちょっと複雑な気持ちで……」 苦笑いをする澪先輩の気持ちが何となく分かるような気がしました。それと同時に、 とても意外な気がしました。 私の知る澪先輩は、こうやって心にひっかかるような、何となく分かる微妙な気持ちを、 自然な会話の流れで口に出来るような人ではなかったはずです。 「澪先輩は、大学生になってから変わりましたね」 「そ、そうかな?」 「そうですよ」ふとさっきのやり取りを思い出して、「特に律先輩関係は、前よりずっと 積極的じゃないですか。何かあったんですか?」 「!? べ、別に何もない! 何もないぞ!」 慌てて手を振って否定する澪先輩でしたが、何か思い直したように、照れくさそうに 頬をかきました。 「……いや、うん。あった。ほんとは。」 「ですよね! 澪先輩と律先輩、今までの幼馴染って感じよりもっと深い関係になってる ような……」 「わーっ! それ以上はダメだぁ!!」 澪先輩は真っ赤になって私の口を押えました。 「……というより、十年一緒にいた今までが変わらなさすぎたんだよ」 紅潮しきった頬を掌で押えて、澪先輩は続けます。 「でも勢いとはいえ、変えるきっかけが出来た。そのチャンスを逃したくなくてさ、 もう少し自然に近づいてみよう、素直になれるよう頑張ってみようって思って」 最近までは凄く恥ずかしかったけどね。とおずおず付け加えます。 「……皆、新しい環境になって、変わっているんですね」 そう呟いた時、お祭りの人混みに飛び込む前にした近況報告をふと思い出しました。 ムギ先輩も律先輩も、澪先輩も変わっていく。成長。それを喜ぶのは至極当然な感情で あるはずなのに、皆が私の知らない所で変わっていく。それがとても寂しくてしょうがない。 いつか皆、葉桜が紅く染まっていくように、私の知らない先輩達となってしまうので しょうか。あの優しくてほんわかと温かい唯先輩も、もしかしたらきっと……嫌。 そんなの、絶対嫌だ……! 身体が震えそうになっていることに気付いて、私は慌てて考えを薙ぎ払いました。 よそう、こんなのただの気の迷いだ。一人で考えるから変な穴にハマるんだ。 私と澪先輩はよく似ている。変わりたいと思えるきっかけを訊けたら、きっとこんな モヤモヤもすぐ晴れてくれる。 「……澪先輩」そう思うが早いか、言葉のまとまらない内に、私は澪先輩の名前を呼んで いました。 「? どうした?」 「あの、みお、澪先輩は……」 それから先の言葉が舌をつかず、澪先輩は首を傾げて私の言葉を待ちます。 「あの、澪先輩はどうして……!」 何でもいいから何か言ってしまおう。後で補足を入れたらいい、 そう思い声を出しました。が、 「おーい! 着いたよーっ」 そう決心した瞬間、唯先輩が大きな声で私たちに呼びかけました。 「ラッキー! ちょうど橋の端っこになったぞー!」 「りっちゃん、それは寒いよ……」 「わざと言ったんじゃないやい」 そう言う内に、前を歩いていた先輩達の歩みが止まりました。ちょうど、何の妨げも なく花火を一望できる場所です。 「ごめん梓、何か言った?」澪先輩が再び私に尋ねます。 「…………花火なら、二人きりで見られるんじゃないですか?」 「……! そうだなっ。おーい、律~!」 クールなイメージと相反して、うきうきと音の出そうなステップで律先輩の元へ 向かって行きました。 「言わなくてよかった……」折角コンプレックスを払拭しようと頑張ってるのに、私の 気の迷いで足を止まらせては申し訳が立ちません。自分の悩みを人に丸投げなんてしては、 解決なんて夢のまた夢です。 「……チャンス、かぁ」 その一語が、余計な重みを持ってのしかかってくるような気がしました。 もし私に変わるチャンスが訪れても、それを受け入れることが出来るだろうか。 ……ただ一人変わらずにいてくれている唯先輩にも、もしその日が訪れたら、私は 笑って見送らなければならないのだろうか…… 「あーずにゃん」 「わっ」 物憂げに星を見ていたら、空っぽになっていた右隣に、いつの間にか唯先輩がやって きていました。 「良かったぁ。一人で見に行っちゃうのかと思ったよ」 「そんなことしませんよ。花火は誰かと見た方が良いに決まってます」 「そうだよね。私もあずにゃんと見る花火が、一番綺麗に見える気がするよ」 「わ、私は別に唯先輩と、とは言ってないです!」 心を見透かされたような気がして、一瞬ヒヤっとしました。お神輿近くの時といい、 唯先輩はその時の気持ちをズバッと見透かしてくるくせに、それがどんな意味を持って いるかには酷く鈍感なのがズルいです。 いっそそこまでバレてくれたら……なんていうのは贅沢な話だよね。 二人とも無言のまま、花火は刻一刻と迫っていきます。心の中で手持ちぶさたを 言い訳に、唯先輩の横顔を眺めました。 「……唯先輩は変わりませんね」 「えぇ~そうかなぁ。私、大学生になったんだよ?」 「じゃあ何か変わったんですか?」 「えーっと……アイスを三口で食べれるようになった」 「あ、それはちょっとスゴいかも……」 憎まれ口を叩きながら、内心ほっとしている自分がいました。 「……あずにゃん、がっかりした?」 唯先輩が不安げに私の方を覗き見ました。 「……何言ってるんですか。唯先輩はその方が良いです。唯先輩は、大学生になっても、 ずっとそのままの方が良いです」 つとめて明るいイントネーションで呟いたつもりでしたが、自信はありません。 「あずにゃんがそう言ってくれるなら嬉しいよ」 唯先輩はほっとため息をついて笑いました。 「私さ、ちょっと不安だったんだ。ムギちゃんはバイトを始めて、りっちゃんも澪ちゃんも 他にやりたいことを一緒に始めて、私だけ何もかも高校生のままで、それでいいのかな、 って。でも、あずにゃんがそのままで良いって言ってくれるのなら、それだけで安心だよ」 「唯先輩……」 それでも、少ししょんぼりしている唯先輩を見ていたら、いてもたってもいられません でした。 「……きっと唯先輩はまだチャンスが来てないだけです。前に進みたいと思う、 その気持ち一つだけで十分素晴らしいです!」 少なくとも、時間に背中を押されて、ただ転ばないように前へ足を出しているだけの 私なんかより、ずっと、ずっと…… 「……あずにゃん、ありがとっ!」 「ぎゃふっ!?」 ぎゅっとまた抱き締められました。さっきは確かめる余裕が無かったけど、唯先輩から 伝わるのは懐かしい温かさ。とても幸せな、だけど何故か切ない温もりでした。 「もう、離してくださいってばぁ」 「ダメだよあずにゃ~ん。花火が始まるまでだよっ」 そう言うや否や、どこかのスピーカーからざらざらした女の人の声が、後五分で花火が 上がることを告げに来ました。 「あずにゃん、もうすぐ花火が上がるって!」 パッと唯先輩の身体が離れました。 「……始まるまでって言ったのに」 「? 何か言った?」 「な、何も言ってないです!」 ほとんど無意識にそう呟いていました。……参ったなぁ。本当に唯先輩への耐性が 無くなっちゃったみたい。 花火のしらせはやがて群衆のざわめきに変わり、それが最高潮になった瞬間、一つの 大きな花にまとまり、ドンとお腹に響く音と共に空へ打ち上げられました。赤や黄色、 緑や青、めいめいの花が咲いては消え、でも夜空を空白のままにしないよう、次々 連なって昇っていきました。 時には二つの輪が半分以上重なり合い、混じって派手な円模様と、多色混合の 彩り豊かな火花が散り、かと思えば次の瞬間、二輪はどんどん離れて行き、ついには 壁でも出来てしまったかのように、妙な距離が出来てしまいました。 あぁ、もっと近づけたなら鮮やかな景色になるのに。寄せては返す花火の距離が もどかしくて、もっと、もっと右に行けたなら……。と思いながら、くい、くいと身体を 右に傾けていたら、こつん、と右手が何かにぶつかってしまいました。 何が当たったんだろうと右を向いた時、唯先輩と目が合いました。 「あっ、ごめんなさい唯先輩」邪魔をしちゃったな、とすぐ悟りました。 そう言うと、唯先輩はくしゃっと顔を崩して、さりげなく、まるでさっきからそこに あったかのように、自分の左手を、私の右手の中へ滑り込ませていきました。 「これなら邪魔にならないよっ」 無垢な笑顔で私にそう言いました。 私は返事代わりに、うつむくように頷いただけでした。 それでも唯先輩は満足げに笑って、再び夜空に目をやりました。私もつられて顔を 上げると、右腕にとん、と唯先輩の肩がもたれかかってきました。 「あずにゃん」 そう呼びかけられなかったら、私はまた横を向いて、何をしてるんですか!? なんて 身構えたかもしれません。ただ、そんないつも通りを過ごすには、唯先輩の仕草が、私に 語りかける、真剣な響き故に小さくなってしまった声が、それが私にしか聞こえない奇跡 みたいな状況が、あまりに特別過ぎました。 「……どうしましたか、唯先輩」 空を見上げたままそう尋ねました。 「あずにゃん、私、やりたいことを見つけたよ」 ほら、こうして良かった。その一言に思わず強張った横顔は、花火が昇る今ならきっと、 唯先輩に見えていないでしょう。 「私、ここに戻って来て、あずにゃんとこうやって一緒に夏祭りを楽しんで、ちょっと 分かった気がするんだ。変わらなかったのは、やりたいことをもう既に見つけてるから じゃないのかな、って。でもそれを始める引き金が、まだ私に無かっただけなんじゃない のかなって。あずにゃん。私はもっとギターをやりたい! 放課後ティータイムとして だけじゃなくて、もっと、もっと!」 どどどん、と一段大きな音がしました。でも、その花火がどれだけ立派だったのか、 私は知る由もありませんでした。だって…… 「だからあずにゃん! 大学生になったら、私と二人で、一緒にギターをしてください!」 その瞬間、唯先輩は私の手を両手に包んで、まるで告白まがいなことを大真面目に言う のですから…… 「な、なな、何をいきなり言うんですかぁ!?」 突然の途方もない誘いを受け入れられる度量も無く、とうとう我慢できず悪い癖が出て しまいました。でも、 「…………唯、先輩……」 慌てふためいた拍子に揺れた身体も、唯先輩にがっちりと包まれた右手だけは微動だに しませんでした。 「あずにゃん、お願い……」 真剣だけど、どこか甘えんぼで哀れっぽい口ぶりと表情。こんな顔されて、私にどうこう 出来るはずなんてないわけで…… 「……もう、唯先輩は勝手です。私の都合なんて知らんぷりであずにゃんあずにゃん、 って……」 「あぅ……」 唯先輩の両手がびくっと引っ込んだ気がしました。違う、こんなのが私の気持ちじゃない のに……。唯先輩が勝手なら、私だってよっぽどワガママだ。 ……でも、同じワガママなら、背伸びでも屈みでもして唯先輩と目線を合わせること だって出来るはずだ。 私は息を一つ吸って、言いました。 「……半年です」 「ほえ?」 「私の受験が終わって、唯先輩と同じ大学に入って、その時にも唯先輩の気持ちが 変わらないなら、また誘ってください。……私の気持ちは、絶対に変わりませんから」 唯先輩の顔に、パッと笑顔の花が咲きました。 「あずにゃん、ありがと~!」 唯先輩がまた抱き着きました。 「ゆ、唯先輩、こんなに人がいる所でっ……」 「だいじょーぶ、皆花火に夢中で見てないよ」 「……もう」 それもそうだなぁ、って納得してしまった私は、余程重症なのでしょう。 変わること、先に進むこと。それはまだどうしようもなく怖い。大切な物がふいになって しまう位なら、ずっと今のままで居続けていたい。 でも、これでまた四年の間は先輩の背中を追いかけていられる。答えは唯先輩と一緒に 見つけていこう。見た事のない世界をたくさん見せてくれた、この人とならきっと見つけ 出せる。 もしその道程で何かが変わってしまっても、その目の前に変わらず唯先輩がいてくれる のなら、大事な物は、そのままでいてくれる。そうに決まってる。 三度、私は空を見上げました。花火は終盤に差しかかったのか、間髪入れず次々打ち 上がり空に咲き乱れて行きます。色とりどりの、輪郭がぼやけた花が空高く咲き乱れ、 その下では菜種色の炎が控えめな花を咲かせ、水面にたゆたう葉のようにはらはらと 花弁を散らしていくのでした。そこに無粋な余白など、どこにもありはしませんでした。 夏が終われば、何かが変わる。そんな移ろう季節の真ん中は、全てが鮮やかに輝いて いました。 あとがき ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。 楽しんでいただけたら幸いです。 読みづらい文章だったらごめんなさい。これが今のところの、文章力の限界です。 次に投稿する時は、もっと文章力や見せ方を向上させてきます。 再度、ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました! そしてあずにゃん、お誕生日おめでとう! 戻る
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唯「!!?」 唯「ギー太、どうしよう話って何かな?」 ギー太「これは奴らの謀略に違いないね」 ギー太「十分注意して行くんだよ」 ギー太「大丈夫、君が本当にピンチな時には」 ギー太「僕が宇宙船に乗って助けに飛んでくるからね」 唯「うん、ありがとうギー太」 唯「行ってくるよ!」 … 唯「和ちゃん、いらっしゃい」 和「ええ、おじゃましてるわ」 唯「えへへ、それで話って何かな?」 憂「ねえ、お姉ちゃん、今日お薬ちゃんと飲んだって言ってたよね?」 唯「うっ、うん飲んだよ…」 憂「嘘でしょ?」 唯「!!?」 和「唯、本当の事を言ってちょうだい!」 唯「の、飲んだよっ、本当だよ!」 和「じゃあ、これは何?」 サッ 唯「!!?」 唯「えっ、私のお薬……」 唯「何で和ちゃんが……?」 和「唯、これはね、澪が見つけてくれたのよ」 唯「澪ちゃんが!?」 和「そうよ、職員用トイレでね」 唯「!!?」 唯(やっぱりだ!澪ちゃんはスパイ!) 唯(やられた!くそっ、くそっ!) 唯(もう軽音部だって信用できないんだ!) 和「唯、あんた、職員用トイレでお薬捨ててるでしょ?」 唯「ううっ……」 憂「お姉ちゃんのバカっ!」 憂「ちゃんとお薬飲んでないと、学校にも行けなくなるし」 憂「私達も一緒にいられなくなっちゃうんだからねっ!?」ウルウル 唯(ばれた、こいつらにバレタっ!私は、もうお終いだ) 和「ねえ、お願いよ唯、あなたのためなのよ」 憂「おねえちゃん、言うことを聞いて」 和「明日からは私がちゃんと、お薬飲むところを確認するわね」 憂「お願いします」 唯「そんなっ!?ダメっ!!!」 唯「わーっ!!!」 ダダダダ 和「部屋に逃げたわっ!」 憂「おねーちゃーん!!!」 唯の部屋! ドンドン! 憂「おねーちゃん!開けてっ開けてよ!!!」 唯「イヤだ!あっちに行けっ!!!」 和「憂ちゃん、今はそっとしておいた方がいいんじゃない?」 和「追い詰めたら逆効果よ、話しは落ち着いてるときにしたほうがいいわ」 憂「はい……」 唯「あいつらにばれた!どうしよう、どうしようっ!!!」 唯「澪ちゃんめっ!よくも騙したなっ!!!」 唯「私は殺されちゃうのかな!?イヤだ、イヤだよっ!!!」 唯「でもなんで澪ちゃんが!?」 ギー太「それはムギちゃんのお茶のせいさ」 ギー太「唯ちゃん以外は毒を抑える飲み方を知らないし」 ギー太「アイスで解毒出来てない」 ギー太「完全に奴らに洗脳されてしまったんだね」 唯「そんなっ!?」 ギー太「もはや軽音部は君の友達なんかじゃない!」 ギー太「完全なる敵だ!!!」 唯「!!?」 ギー太「軽音部を殺せ」 唯「えっ、でも……」 ギー太「軽音部を殺せ」 唯「みんなは、私の……」 ギー太「軽音部を殺せ」 唯「大切な……」 ギー太「軽音部を殺せ」 唯「お友達……」 ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」ギー太「軽音部を殺せ」 …… 梓「ん?なんだろ、メールだ」 梓「!!?」 け い お ん ぶ を 殺す 梓「なに?これ……」ブルブル …… 紬「唯ちゃんっ!しっかり!!!」 唯(えっ?ムギちゃんだ) 紬「だいじょうぶよ、必ず助かるわっ」 唯(あれ?どうしたんだろ) 唯(また分んなくなっちゃったよ) 唯(あれ?どうして、体が熱い、動かない) 唯(でも意識だけはハッキリしてる) 唯(私、どうしちゃったんだろ?) 澪「うわぁぁぁあああっ!!!!?」 澪「何だこれぇ!!!!?」 澪「なんなんだよーっ!!!!?」 紬「澪ちゃん、落ち着いてっ」 澪「私はっ、そんなつもりじゃっ!!!」 澪「私はっ、唯がっ!!!」 澪「唯が恐がるからっ、なだめようとっ!!!!!!」 澪「違うんだっ、違うんだぁーっ!!!!」 紬「澪ちゃん、刃物を捨ててっ」 唯「……」 唯(私が澪ちゃんを恐がる?) 唯(なんで私が大切なお友達の澪ちゃんを恐がらなきゃいけないの?) 唯(あっ、そうか) 唯(澪ちゃんはあいつ等の仲間か) 唯(だから恐がってたのか……) 唯(それって、変なの) 唯(なんだか、どれが現実で、どれが妄想かわかんないや) 唯(今日はお薬のんだんだっけ) 唯(わすれちゃったな……) 澪「わあーっ!、唯ーっ!!!」 紬「唯ちゃん、寝ちゃったらダメよ!」 唯(ああそうか……) 唯(思い出したよ) 唯(私、澪ちゃんに刺されたんだった) 唯(死んじゃうのかも) 唯(でもいいよ、澪ちゃん、気にしないで) 唯(私は澪ちゃんの気持ちがわかるよ) 唯(私は高校に上がる前から病気だった) 唯(自分の妄想と、現実が分からなくなっちゃう病気) 唯(和ちゃんと憂に協力してもらって) 唯(お薬飲みながら治療してきたんだ) 唯(他のみんなには内緒にしてたけどね) 唯(でも、まさか澪ちゃんまで同じような病気になっちゃうなんて) 唯(だから、わかるよ) 唯(澪ちゃんは、病気のせいで、私達を信用出来なくなって) 唯(ココまで来たら、今度はメールのせいで、自分まで信用できなくなちゃって……) 唯(ごめんね澪ちゃん) 唯(きっと、そのメールは私が送ったんだ) 唯(出来れば最後に、みんなに謝りたいな) 唯(そして、伝えたいな) 唯(人の頭も、心も、不安定なもの、電気信号、化学物質) 唯(信用ならないものなんだ) 唯(病気になったり、そうでなくても、ちょっとしたつまらない事で) 唯(コロコロ変わっていっちゃうの) 唯(だけど) 唯(私がみんなの事を、頭で敵だと思っていた時も) 唯(私はみんなを愛していたんだよ) 唯(絶対に証明できない本当だよ) 唯(澪ちゃんだってそうだよ) 唯(私達が信用できなくなったときも、私達を愛していたんだよ) 唯(ものを忘れる病気のお年よりも、意識がなくて眠った人も、喧嘩別れした相手だって) 唯(本当は……) 唯(だから、私が死んでも) 唯(死んじゃっても……) 唯(みんな……) 一ヵ月後 唯「澪ちゃん!」 澪「唯、久しぶりだな」 唯「えへへ、なんか照れくさいね」 澪「ふふ、そうだな」 澪「それで、怪我はどうだ?」 唯「大したことなかったよ、もう治っちゃってるよ」 澪「でも、痕が残ったりしたんじゃないか?」 唯「そんな、ちょっとだけだよ」 澪「改めてすまなかった」 澪「私はお前を殺しちゃうとこだったんだ」 唯「そんなー、大げさだよー」 唯「それに、あれはワザとやった訳じゃないし」 唯「私にも責任があるから……」 澪「唯……」 唯「それに、この痕のお陰で助かることもあるんだよ」 澪「助かること?」 唯「もし私が、また大切な人を疑いそうになった時は」 唯「この傷を見て思い直してるの」 澪「そっか……」 唯「ほらっ、今日はみんなも待ってるよ」 澪「学校に行くのも久しぶりだな」 唯「澪ちゃんは、もう高校に復帰できそうなの?」 澪「ああ、しばらくは薬が手放せないだろうけど」 澪「もう直ぐ通えるようになりそうだ」 唯「そっか」 澪「唯は?」 唯「えへへ、秘密」 澪「……」 澪「焦らずにな」 唯「うん、ありがとう」 澪「ところで、あの事件の日に、倒れたお前が」 澪「私に何か言おうとしてた気がしたんだ」 澪「何を言おうとしてたんだ?」 唯「んー……」 唯「恥かしいから内緒!」 澪「なんだよっ、もう!」 唯「澪ちゃん」ダキッ 澪「わっ!急にくっ付くなよ///」 唯「いいじゃん」 唯「澪ちゃんと私は同じ病気を共にした心の友でしょ?」 澪「共にしたものが、もっとカッコいいものだったら良かったけど……」 唯「だからね、澪ちゃんにだけは教えてあげる」 澪「ん、なんだ?」 唯「実は私が助かったのは、ギー太のお陰なんだよ」 唯「私が死にかけた時、時間を止めて宇宙船でかけつけてくれたの」 唯「止まった時間の中で宇宙の医療で私を救ったの!」 澪「!!?」 澪(やれやれ、こいつはまだ時間かかりそうだな) 澪(だけど、唯は唯だしな……) 澪(まあ、いいか) 唯「ほらっ、みんな待ってるよっ」 澪「ああっ、早く行こうっ!」 お わ り 戻る あとがき ※唯は完全に統合失調症 幻覚や妄想は薬で抑えられるが、その薬を捨てていたので完全に妄想の虜になっていた 病気を知っていたのは憂と和だけ 澪も同じ病気で、微妙に迫害妄想がある こんな感じ? 278 ※で、実際の事例というのは? 277 読み直してみました タイトル間違えてた 唯実「いがぐり!」際にあった事例をもとにした けいおん!SS じゃなくて 唯「いがぐり!」実際にあった事例をもとにした けいおん!SS でした すいません単純に間違いです . 2で既に突っ込まれてるけど 私はSS書くときに、人のレスを全て非表示にしているんです 何回も見てるはずなのに、まったく気付かなかった 他の部分は思い通りに書けたと思います あと、だいぶ煽ったので叩かれまくってると思ったら みんな優しくて驚きました . 278 そんな感じです . 277 私は唯の立場でした 読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございました 感謝します おやすみなさい
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梓「チクショオオオオ!くらえ憂ー!やってやるです!」 律「さあ来い梓!実は私は一回抱き付かれただけで倒せるぞー!」 ギュッ 律「グアアアア!こ この、ザ・デコと呼ばれる四天王の私が……こんな泥棒猫に……バ、バカなアアアア」 ドドドドド 律「グアアアア」 澪「律がやられたようだな…」 憂「フフフ…奴は四天王の中でも再弱…」 紬「猫ごときにやられるとはけいおんの面汚しね…」 梓「くらええええ!」 ギュッ 三人「グアアアアアアア」 梓「やった…ついに四天王を倒した…これで唯センパイの居る音楽室へのドアが開かれる!!」 ギイイイイイ 唯「よく来たねあずにゃん…待ってたよ…」 梓「こ…ここが音楽室だったの…!感じる…唯センパイの気配を…」 唯「あずにゃん、戦う前に言っておくね あずにゃんは私を倒すのに『猫耳』が必要だと思っているみたいだけど…別になくても倒せる」 梓「な、何だって!?」 唯「そしてむったんはペロペロした後スタンドに立てておいた 後は私を倒すだけだね…」 ゴゴゴゴ 梓「フ……上等です…… 私も一つ言っておくことが 誰か同級生を一人忘れてる気がしていたけど、別にそんな事はなかったです!」 唯「そっか」 梓「ウオオオいくぞオオオ!」 唯「さあ来いあずにゃん!」 梓の性欲(ゆうき)が世界 を救うと信じて……! ご愛読ありがとうございました! 梓「……って、なんですかこの寸劇は!」 唯「いやあ、こうしたらあずにゃんから抱き付いてくれるかなぁ、って」 梓「あ……//」 おわり 律先輩弱!? -- (あずにゃんラブ) 2013-01-12 08 37 39 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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戻る その他系 唯ちゃんもムギちゃんも可愛い!! ほのぼのですなぁ… -- (名無しさん) 2012-09-18 22 17 34 ムギは天使ですなぁ。 溢れんばかりの母性、優しさ、包容力がムギという人そのものだね。 無邪気で子供っぽい唯にはぴったりだね! -- (名無しさん) 2012-09-19 01 21 43 唯もムギちゃんも可愛過ぎる!! 読んでいて、心が和みました。 -- (名無しさん) 2012-09-19 02 26 55 唯紬のゆったり感が良い。 はのぼの系には外せない。 -- (おすし!) 2012-09-20 23 57 03 唯ムギが数と勢いを得つつあるな。 でも、もっと読ませる長編が増えてほしい… -- (名無しさん) 2012-09-21 23 46 14 このシリーズは二人の愛情の深さと二人ならではの和みをしみじみと感じますな。 前半ちょろっとだけでてきた仄かな律澪もナイス! -- (名無しさん) 2014-04-25 01 54 23 いいなこれ -- (名無しさん) 2014-08-27 01 51 59 ほのぼのですな -- (名無しさん) 2015-02-21 00 14 36
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「あずにゃんはあずにゃんの道を行って私は私の道に行くから」 「唯先輩どういう意味ですか、先輩!先輩!」 ガバっと、梓は飛び起きた。 「何だ。夢か・・・」 携帯の時計を見ると、まだ4時、梓は不安を覚えながらまた布団に体を預けた。 「はい今日はここまでぇ~」と律先輩の声が音楽室に響いた。 「あずにゃ~ん一緒に帰ろう」と唯先輩が声をかけて来る。 「唯先輩、私もうちょっと残って練習しますね」と梓は返す。 「じゃぁ、私も~」と唯先輩は言うと、愛用のギター、ギー太を肩に掛ける。 その時、私は唯先輩に声をかけた「先輩。先輩は私の傍にずっと居てくれますよね。」 「ぇ」っと唯先輩は聞き返す。 その後、唯先輩はすぐに口を開く 「当たり前じゃん、私も、澪ちゃんも、りっちゃんも、ムギちゃんも皆傍に居るよ、どうしたのそんな突然変な事いいだして。」 「いえ、何でもないんです、ただ単に聞きたくなっただけで」と梓は返す。 「あずにゃん」 「はい?」 唯先輩がいきなり私に抱きついた。 「ぇ?」 「あずにゃん、私は絶対にあずにゃんの前から消えないよ、私はかならずあずにゃんと一緒に居るからね」 というと唯先輩は私に口づけをした、そして唇を離すと。 「さ、練習しよっか、あずにゃん」と私に言った。 「はい」と私は顔を赤く染めながら返す。 第一部完・・・。 良い話だなー -- (名無しさん) 2014-12-30 00 33 47 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る